☆◎長良川クリテリウム初参戦!その2◎☆冬2015
さて、前回の続きとなります。
我々ビギナーⅡは2組に分かれております。
上位1位までが優勝
上位3位までが表彰台
上位6位までが入賞
上位10位までがネックス杯という上位のレースのラウンド1に出走することができます。
レースは1周3kmのコースを3周回します。
合計9kmです。
先にビギナーⅡの1組が出走。
約40人の集団ということです。
我々40人はその2分後に出走。
女性の方が数人見えて、ちょうどその後ろでした。
やがて1分前・・・・
10秒前・・・・
5秒前・・・・
というようなスタートカウントが始まりました。
そのスタートカウントの後、スタートです。
ただし、やや後続のためスタートからすぐには動き出しません。
長良川クリテリウムのコースはこんな感じ。
この黄色のラインが我々のコース。
スタートは①でそこからローリングスタートという準備運転のようなスタートです。
その後③をすぎてストレートに入ってきたところでリアルスタートとなります。
今回この③をすぎたカーブの出端で水たまりがあったので、とても危険でした。
さて、ローリングスタートでは約26-28kmくらいです。
集団の中にいるのと速度的には問題がありません。
ここが結構距離があるのですが、直線で約1.4km程度はあると思います。
ここで少しでもポジションを上げていく必要があります。
サイクリングチームのジャージをきた人で直前で斜めに蛇行してくる人がおり少し怖かったですが、
ポジションをあげようと思いますが、密集しておりなかなか狭くて上げる事ができません。
やがて最初のカーブ③にさしかかるとすぐにカーブが終わり(ここの距離は20Mくらいでしょうか。)
直線にでます。
ここから一気にスピードが上がります。
集団が一回横に開いたと思うと、すぐに直線状になりました。
これは先頭車両についていくことで”空気抵抗”を回避できる
いわゆるドラフティングという技術です。
先頭から一気に直線に伸びて一つの列車のようになり、直線を駆け抜けます。
先頭の車両が空気の渦を切り裂き、後続集団がその恩恵に預かります。
先頭集団は見えませんが相当速い速度を維持しています。
フロントはアウター一本で、
リアギアをカチカチッと上げていきます。
回転数は100回転位だったと思います。
あっという間にアウターのギアの最上段、アウタートップを使いきっています。
様子がおかしい・・・
一体何キロ出てるんだ?
と思ってサイコンを覗くと、
”47km”
ええええっっっつ!!
心拍数
171・・・・
最大心拍の93%!
ほぼほぼ、限界値です。
気をうしないかけたタバタレベルじゃないですか!!
高速巡航区間で衝突しないように前の自転車のタイヤだけを中心に集中します。
うまくドラフティング圏内に入らないと、この速度で単独走になれば即ちぎれ落ちて終了です。
しかし、前走者の速度の上下を読むことができず
どうやらこれ以上近づくのも難しそうです。
車間距離にして約1m程度でしょうか。
直線の一部でゆるいS字クランクがあるので怖いですが、それでもなんとかついていきます。
後からビデオで見ると、ボクが集団の最後尾にいたようです。
最後の方は道幅が広くなりますが、その集団の最後尾になんとかついていきます。
”速すぎる!!”
MAXの巡航速度をはるかに超えるスピードでの巡航は
ドラフティングありといっても
心拍に負担をかけ続けてしまいます。
アウタートップを回し切り、下手くそなペダリングでは回転数が上がるほど無駄が増える仕様です。
⑥のカーブに差し掛かると次は細い道のストレートです。
この時点でまだ集団につけています。
カーブから直線にはいります。
後ろを振り返るとだれもいません。
ちょうど②をすぎたあたりでしょうか。
ここでは35、36km程度でていたとおもいます。
このとき心の中では、
どうやって前にでようか・・・
というかこの速度で前にでるのは難しいぞ・・・
と思い始めていた頃・・・・
2台前のロードバイクが
糸の切れた凧のように
失速してずるずると下がってくるではありませんか!!
待ってましたとばかりに、
後ろの1台も速度維持をあきらめ
上体を起こし、
まとめて下がってきました。
相当きつかったのだと思います。
”おいいいいっつ!”
”まてまてまてまてまてまてまてまて!”
”ここで離れたら
ぼくらのレースここで
終わりですやん!!”
クリテリウムは過酷なサバイバルレースのようです。
力のないものは集団から容赦なく切り捨てられます。
先頭集団はマトリックスの選手か速い選手が先頭交代をしながら進んでペースをつくっているはず。
このペース以上のものを単独でださなければ集団に追いつくことすらできません。
結局前の2台がちぎれて失速したので自分ひとりの単独走となります。
前からゴウゴウと風の波が押し寄せてきます。
これからは自分ひとりでこの風と戦っていかなければならないのです。
しかし、先頭の2台をだれが責めることができるでしょうか。
こちらもあの直線で心拍の93%を叩き出し
MAXで力を使いきってしまっています。
自分が前の立場なら自分からちぎれてしまった可能性も十分にあります。
力のない自分がひたすら悔しい。
そう思いました。
ビギナーⅡ上位10名は次のネックス杯ラウンド1に進めます。
しかしこの時点で集団からちぎれたため次へ進むことができなくなったことは明白です。
直線か、カーブのたちあがりで少しでも順位をあげておかなければならなかったのです。
ここからは単独走。
エアロポジションをとりながら進みます。
再度カーブがやってくると次の直線にでます。
ここは追い風がきているのと若干の下り勾配なのかスピードが出る区間です。
ここからさらにギアを上げて、エアロポジションで高速(当社比)で飛ばします。
途中、先頭からちぎれた2台の車両を吸収し
”はぁはぁっ、はぁ、はぁっ、
ボクが引きます!!頑張りましょう!”
と声をかけていきます。
再度⑥の区間。ここをすぎると観衆前のストレートです。
ここで右からさっき抜いた1台に抜かれました。
しかし、すぐに抜き返します。
後ろから気配がしたのですが、
後ろには黄色いジャージの方がついてきていることがわかりました。
呼びかけに応じたのか、そうでないのかわかりませんが、とにかく
ついてきてくれているのがすごく嬉しかったです。
”勝負はついたが、まだレースは終わっていない。”
そう思いました。
子供や嫁さんに
”パパ、頑張るでね!”
言いましたのでね。
集団からたった2人になりましたが、
それでも元気100倍です!
自分の走りが後続の空気抵抗を大きく減らし、
前走者も後ろにできる空気の渦を後続車が負担するので、
両者ともメリットがあるのです。
それよりなにより一人でないという思いが強かったと思います。
③のカーブの前で赤いトレックの人が失速していることが見えてきました。
カーブの前後にこのトレックの人を2人列車で抜き去ります。
ここからカーブを抜けると最後の直線に入っていきます。
ここではさらにスピードに乗っていきます。
そろそろ風を受け続けてきたため限界が近づいてきました。
すると、後ろからするするっと黄色のジャージの人が追い抜いてきました。
そのまま今度は後ろにつかせてもらいます。
その瞬間
赤い人がするするっとボクの前にはいり、
3人列車が形成されます。
たった10km足らずのレースですが、
集団からこぼれ落ちた
1人が2人になり、
2人がついに3人となりました。
こんな嬉しいことがありますでしょうか?
こうしてできた即席集団は、
それでも最後のゴールに向けて
順位を争うことになります。
3者ならんで最後のストレート勝負となりました。
順番は黄色のジャージの人、赤いトレックの人、青いカラーのボク。
という順番で最後の直線に入ってきました。
前からうなりをあげて風の壁が立ちはだかります。
20km台まで落ちていた速度は3人の集団となることで大きく回復し
直線では
32km~35km程度だったと思います。
青いカラーのボク、赤いトレックの人、それに黄色いジャージの人。
まるで信号機のようなカラーの3人がまとまって最後の直線へ向かいます。
残り直線1km、
みんな次のネックス杯に進むことができないことはわかりきっています。
3人だけのゴールスプリント・最後の直線勝負が始まろうとしています・・・
続く…