3.木工機械展2021に行ってきたよ。
庄田鉄工社をあとにし、つづいて水内ローラーさんに
トマト工業の特徴としてシーラー処理があります。
溶剤系のシーラーという塗料みたいなものを板に塗っていくのですが、
これ、酢酸エチル、アセトン、トルエンといった超強力な溶剤を使います。
以前、面接に来られた人が工場見学をしていたのですが、その際に丁度、そうちょうど強溶剤を使ったシーラーをするタイミングとあってしまい、
あまりの臭いに帰ってしまったことがあります。
ホントはやめたいんですが、ウチがやめると困ってしまうお客さんが多いというだけの理由で続けております。
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やめたい理由が、臭いとあと、設備の故障が多いということです。
ゴムロールは耐薬品性のものを使ってはいるんですが、溶剤にやられて定期的な研磨や、交換が必要になってきます。
そのような研磨や巻変え、新設をやるのが水内ローラーさんということになります。
つづいてオリオン刃物製作所さんへ
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このシンバルみたいなのが刃物の台金となります。
特殊なスリットを入れる事で共振がなくなり、ビビらないので直進性がでるというものです。
多分会場で私が一番シンバルたたきましたよね。多分・・・
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東洋鉄工社はライン物の製作が得意で、さらにロボットとの連携が得意です。
FANUCが7割、安川他ということでFANUCが多いということでした。
なぜFANUCが多いんですか?
聞いた所
山梨県本社の黄色のFANUCは東が強く
西は九州本社の青の安川が強い。
ということでした。
東軍西軍の関ヶ原みたいで面白いですよね。
飯田工業、アミテック、丸仲商事のJCPグループです。
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ここは後ほど詳しく解説をしていきます。
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バーチカルサンダーです。
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通常のサンドペーパーではなく、フライス刃のような刃物でゴリゴリフライス、その後ナイフマークをサンドペーパーで削って慣らしていくという重切削機械です。
アミテック社はワイドサンダーなど重切削機械から派生しているので全体的な剛性がたかめなんですね。
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アミテック社ランニングソーです。
アミテックのパネルソーはグレードに分けて3種あります。
ざくっと説明すると
ハイエンド RCN310 戻り170m/mim 刃口部強化タイプ 最大厚90mm
ミドルエンド RCVH250・RCV250 戻り120m/mim 最大厚100mm RCVHは切断時もサーボ制御可
ローエンド NRRA 戻り40m/mim 最大厚100mm RRA 戻り40m/mim 最大厚100mm
ハイエンドは最大厚が90mmなので注意が必要ですね。
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丸仲商事社縁貼り機トップガンです。
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見た目も海外機っぽくなっており洗練されていますね。
先回工場見学に伺った際に、一つ一つの機械、部品に想いが込められているのがわかりました。
ライン物も得意で、制御関係も強く、
ロボットティーチング部隊を持っているのも大きな強みだと思います。
ボーリング、縁貼り、ラッピングといった3本柱が特徴の会社です。
ホマッグという黒船
さて、会場の奥にひときわ巨大なブースがあります。
それがホマッグ。
ドイツが本社で、あのイケアの家具を製造する機械はここが作っているという、木工機械最大のメーカーです。
特徴は先進的な仕様をどんどん盛り込んだハイエンド器械群と、自動化に対する効率化、インターフェースなど
すべての項目においてトップランナーと言えると思います。
価格も相応であり、クルマで例えるとベンツみたいな会社です。
日本も含めて全ての木工屋さんの憧れの存在と言えるでしょうか。
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今木工先進地域のこの中部地区。
その中部地区の中でも最先端を走る企業の多くがこのホマッグで機械を揃えるという潮流があります。
ちなみに我々は一台も持っておりません。
さて、ブースに入ると、すごい活気でした。
国内のメーカーさんもここを参考にしているというくらいです。
ビームソーをみてるとSさんが登場。
今日はちょっとお疲れ気味でしたが。
ホマッグ社の特徴はなにより、自社の商品に対する愛情と言えるでしょうか。
本当にこころから愛している。という想いがビシバシ伝わってきます。
木工業界の潮流
ちょっとココで木工業界の潮流をお伝えしたいと思います。
日本国内では現在先に申したように、ホマッグ社、ビエッセ、SCM、などたくさんの海外機が入ってきています。
もちろん機械もとても良く、効率的です。
しかし日本の企業からするとそれは面白く無いはずです。
例えばある一社がホマッグを入れたとすると、その後インターフェースを揃えるためにホマッグを入れ続ける。
まるでオセロゲームのようにです。
そのような動きに対処するための連合がJCPというグループであり、統一書式でできるという取り組みのようです。
アミテックと丸仲の機械が同じフォーマットで動かせるというものです。
ホマッグなどの黒船に対し、国内の企業はグループ化をしながら対抗している。そんな図式が見えてきますね。
とはいえ連合の動きは始まったばかりであり、今後どのような方向性に行くのか楽しみです。
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ホマッグの未来的な器械群
ダンボールを自動で製作する機械もあり、実演していただきました。
ものの数十秒でオーダーのダンボールが製作されてでてきます。
お値段の方は、家が建つレベルです!!
ある種テーマパーク的な感じでとてもおもしろいです。
ロボットの展示
取引先さんのブースにはロボットの未来を感じさせる展示がありました。
大きな発見でしたね!
超絶わかりづらいロボティーチングを極限まで直感的に操作する仕組みです。
残念ながら可搬重量の制約があるため適用はできませんが、それでも今後の流れがみえてとても面白いです。
ホルツテクニカさんのブース
弊社もホルツヘル社の縁貼りを使っておりますが、
最近はオーストリア・フェルダーの機械群が多くなってきました。
そのフェルダーからスライドソーの展示がありました。
だいたい900万くらいという価格帯ですが、大きな特徴があります。
それはこのカットストップです。
我々が汎用スライドソーを検討しない理由がこの手を切る可能性。にあります。
しかしカットストップは微弱な静電気を感知し、手が切れる前に止まる。というものです。
試験用ソーセージが触れる前にソーが下にさがる。という仕組みです。
これによりより安全にスライドソーを使うことができます。
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アーテンドルフが有名ですが、フェルダーなどのメーカーのモノづくりも進化していて面白いです。
ドイツホルツヘル社のふち貼り機は有名ですが、それがこのグルー(のり)にあります。
今回の展示は、エッジ側に付着したのりをレーザーで溶かしてエッヂを貼るという工程です。
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なんてことない板に見えますが、我々一行はビックリしました。
なぜなら、ほとんど跡が残されてないからです。
ほぼ一体化しているようなそんな板です。それを実現しているというのはとても大きなことだと思います。
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ここまでアップしてもようやくつなぎがわかるかわからないか。のレベル。
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最後にタテ置き式のエボリューション。
ランニングソーにおけるパネルソーみたいな立ち位置ですね。
板を立てて切削します。
メリットは
1.ゴミが重力を利用して下に落ちる。
2.場所を取らない。
3.横穴加工ができる。
4.音が少ない。
などメリットが大きい機械です。
海外機の最大のデメリットは、修理のときの対応になります。
しかし我々の地域の代理店ホルツテクニカナゴヤさんはメンテナンスに詳しく部品供給も安定してるという評判で
ホルツ、フェルダーのシェアが大変高い地域になっています。
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テノーナーヤスダコーポレーションのダブルエンドテノーナーです。
2つの刃物が量側についており、耳きりをしながら切断していく機械です。
自動で広がっていくのが良いですよね。
どちらかというと上流側の素材関係に需要が多い機械です。
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弥栄鉄工社です。
ダボ打機をみて、おおーっと驚いたり、
ボーリングマシンをみたり。
機械に、ご成約札が貼ってあり、ジャパン建材フェアだったけ?思いましたが、
機械をバンバン売るこの営業さんスゴイな・・・と思いました。
最後にひっそりと展示してあったパネルソーを拝見
この機械奥まった所にあるものの、多くの人が見に来ており大変人気のブースになってました。
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インターフェースがタッチパネルになっており、比較的わかりやすい仕様となっておりました。
弥栄社のものづくりは、一貫していて気持ちが良いですよね。
キッチンなどの側材、枠材を製作する木工工場
をターゲットとし、パートさんや初めて機械を触る人でも
【だれでも使いやすい。】
機械づくりを目指しているようです。
このあたりを突き詰めてきた弥栄鉄工社の強みを生かした仕様と言えると思います。
初めての人でも使えるように工夫されています。
第1号機ということで今後いろんな声を聞きながら改良し上梓していきたいということでした。
切断というのは全ての加工の基本となります。注目度が大変高い機械でした。
相当突っ込んだ質問をしましたが、とても夢のある機械ですね。
現行はS社の最新パネルソーHP3の対抗になろうかと思いますが、HP3は相当完成度が高いです。
ただ、タッチパネルで直感的にわかりやすい良さが見えました。
アミテックのパネルソーや弥栄パネルソー、対抗馬としてこうした新機種がでてきて切磋琢磨しながらアップデートしていけばとてもおもしろいですよね。
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今回は大型の木工機についてシェアしましたが、汎用機と呼ばれる比較的小回りのきく機械や、刃物、道具なども結構展示がありました。
さらに上述のように子供さんが遊ぶスペースがあるので、安心して回ることができそうです。
木工機械展は10月7,8,9、10の4日間ですので、ぜひ来場してみてください。
大きな発見があると思います。
ではまた❢❢