Q. ケイカル板、フレキシブルボードの違いは何でしょうか?

カテゴリの違い

ケイカル板、フレキシブルボード共繊維強化セメント板というカテゴリに入ります。

主原料の違い

ケイカル板はけい酸質原料、石灰質原料、補強繊維が主原料、フレキシブルボードはセメント質原料、補強繊維が主原料となります。

比重の違い

比重もケイカル板が約0.8、フレキシブルボードは倍の1.6になります。大きさが同じなら重量が2倍になるということです。

強度の違い

重さが倍あるフレキシブルボードは強度も高いです。例えば縦方向の曲げ強度でいくと、ケイカル板が10N/mm2に対して、フレキシブルボードは25N/mm2と高い強度を誇ります。

色の違い

組成の違いからくる色の違いがわかりやすいですね。ケイカル板はホワイト系、フレキシブルボードはグレー系です。

Q. ケイカル板、スラグ石膏ボードの違いは何でしょうか?

カテゴリの違い

ケイカル板、スラグ石膏ボードとも繊維強化セメント板というカテゴリに入ります。

主原料の違い

ケイカル板はけい酸質原料、石灰質原料、補強繊維が主原料ですが、スラグ石膏板は石膏、スラグ、補強繊維が主原料となります。

比重の違い

比重はケイカル板の0.8に対して、スラグ石膏が1.0と1.25倍の重量比があります。

強度の違い

縦方向の曲げ強度に大きな差はありません。

寸法変化率

オートクレーブ養生という手法で結晶化されるケイカル板と、そのまま出荷されるスラグ石膏ボードでは大きな差があるとすればここになります。
寸法変化率はJISA5430に準拠していますが、ケイカル板の場合長さ方向の寸法変化率は0.15%以下、スラグ石膏では0.20%以下となります。
例えば長さ2730のサイズ、ケイカル板ですと4.1mmの変化、スラグ石膏ですと5.5mmの変化と約1.4mmの寸法変化の違いがあります。
これは貼った後の寸法変化の違いと捉えられます。スラグ石膏と比較すると、寸法変化によるワレ・クラックといったクレームが入りにくいのがケイカル板といえます。

色の違い

両方ともにホワイト系でその違いを見つけることは難しいでしょう。

Q. ケイカル板の耐熱温度は?

JISA5430に規定されるケイカル板にはタイプ2(かさ密度0.8・1.0)と、より軽いタイプ3(かさ密度0.2・0.5)があります。

市場に出回っている殆どはタイプ2です。
こちらの耐熱温度は、長期間高温にさらされると、物性が変化するため長期耐熱性はありません。

一方でタイプ3になりますと、耐熱1000度という商品がありますので、(商品名:タイカライト)そちらをおすすめしております。

注意点として比重が軽い反面、カケやすく脆いので取扱には十分注意してください。

Q. 不燃材とは?耐火とは?

不燃材というのは材料のカテゴリです。コーンカロリーメーターというヒーターで材料をあぶって、その発熱性を調べますが、ある一定の熱量になるまでの時間が5分以内であれば難燃、10分であれば準不燃、そして一番長い20分以内であれば不燃材料としての認定が受けられます。※他に有毒ガスの排出がないかどうかも調べます。
そしてこれら不燃材料を使用した構造、(例えば不燃材料10ミリ以上とC鋼の組み合わせなど)が耐火◎◎分という壁の構造になります。
従いまして、不燃材とは材料、部品であり、耐火とは料理、製品であるように置き換えられると思います。

Q. 外壁に使用したいのですが?

外壁というのは直射日光や、紫外線、風雨など非常に高い耐久性が求められます。
ケイカル板は軒裏など直接雨掛かりしない場所に使用されますが、雨掛かりする場所にはおすすめできません。
外壁などでは衝撃などで割れる可能性もあります。
フレキシブルボードは外装用で使用されることもあります。耐水塗装を施すことを推奨します。
フレキシブルボードの中には、寸法変化が大きく外装に適さないものもありますので、ご注意下さい。

Q. フレキシブルボードに内装用と外装用があるのですが違いは?

例えば、内装のクロス貼りであれば後からボードが動くと目地にクラックが入ることがあり、問題が起こります。
そのためより寸法安定性を高めた製品が必要になります。そのためオートクレーブという高圧、高温の釜で養生した製品が内装用として存在します。
セルフレックスA(オートクレーブ)が該当製品となります。
あくまでカタログ値ですが、1820幅で約1ミリ程度の寸法変化の違いがあります。

外装用はオートクレーブ養性がしていないボードを使用します。外装用に使用できるのはセルフレックスというノンオートクレーブ品です。
オートクレーブ養性品のような工程が一つ入っていないため反りや動きがある可能性があります。
これは近年アスベストなどに変わる繊維素材としてパルプなど繊維質材料が使用されていますが、この繊維質材料がオートクレーブを掛ける事によってダメージを受ける可能性があるため外装用はノンオートクレーブ品となります。

Q. ケイカル板を加工したいのですが?

切断については数箇所であれば表に綺麗に筋をつけ、裏からカッターナイフで何本も筋を付けます。
チョコレートを割るようにして折り、凸凹をサンドペーパーで磨けばカットもできます。
トマト工業ではカット加工を行っておりますので、量があればそちらをおすすめいたします。

Q. フレキシブルボードを加工したいのですが?

サイディング用などの丸ノコでないとカット加工が難しいです。
トマト工業では専用のダイヤモンドソーを使用したカット加工を行っておりますので、そちらをおすすめいたします。
尚異型カット加工、円形などの特殊加工はできませんのでご了承ください。

Q. 持ち込み品の加工はできるの?

基本的にできるものとできないものがあります。
また素材が加工中、輸送中に破損したものについての責任は負いかねますのでご注意ください。

木材等の持ち込みが増えておりますが、必ず素材の比重、原産地を公表してください。
刃物の選定等ありますので必須となります。素材の公表ができない素材は原則加工が出来かねます。

海外産の素材については現在調査中ですが、内部資料と差異がみられるものが多々あります。

海外製品については危険性の高い重金属類が混合しているものやアスベスト混入品のような危険性の高い製品が出回っております。
独自調査を行ってはおりますが、製品数に対して検査が追いつきません。
基本的に加工はできないものと考えて頂いたほうが良いかと思います。

トマト工業では化学物質管理ランク指針に基き、下記の素材が含有されている商品は加工いたしません。

化学物質管理ランク指針  禁止物質レベル1 18

1) ポリ塩化ビフェニル(PCB)類
  ポリ塩化ターフェニル(PCT)類
2) アスベスト類
3) 特定有機スズ化合物(1)
  ビス(トリブチルスズ)=オキシド、3置換有機スズ化合物
4) 特定有機スズ化合物(2)
  ジブチルスズ化合物
5) 特定有機スズ化合物(3)
  ジオクチルスズ化合物
6) 短鎖型塩化パラフィン(C10-13)
7) 特定臭素系難燃剤(PBB,PBDE)
8) 特定アミンを形成するアゾ染料、顔料
9) ポリ塩化ナフタレン (塩素数が3以上の物質)
10) カドミウムおよびその化合物
11) 鉛およびその化合物
12) 六価クロム化合物
13) 水銀とその化合物
14) オゾン層破壊物質(HCFCは除く)*2
15) ホルムアルデヒド
16) パーフルオロオクタンスルホン酸およびその塩
17) 特定ベンゾトリアゾール
18) ジメチルフマレート

Q. 色を塗りたいのですが?

基本的にケイカル板、フレキシブルボードとも専用のシーラーと呼ばれる下塗りが必要になります。
これは表面の粉ドメ、アルカリドメなどの役割を果たすためであり、これを怠ると、経年劣化が早くなり塗装のはげ、にじみ、アルカリ涌出など各種の不具合を起こします。
シーラー塗装後適合する塗料を塗ってもらえば大丈夫です。

Q. どのくらいの重さ?

重さについては感覚値で非常に難しいですが、比重が一般的な指標になるかと思います。
木材の比重が約0.6とし、ケイカル板が0.8ですので約1.3倍の重量差といえます。
フレキシブルボードはケイカル板の倍の比重になりますので、グッと重くなります。

Q. アスベストの混入はないの?

2004年から国産のケイカル板、フレキシブルボードには混入しておりません。
また撤去程度であれば重篤な問題になることは想定されにくいといえます。
外国の製品については現在独自調査中ですが、危険性が高いという経過報告になります。

外国 (特に中国) の製品については危険性が高く、素性が不明なのでトマト工業では加工の取り扱いをしておりません。

Q. ケイカル板の種類を教えて下さい。

専門的な話ですが、ケイカル板には1種と2種があります。
1種は重くて薄い物(通常のケイカル板)、2種は軽くて厚い物、になります。
商品名では1種はヒシタイカ#70、ハイラック2種はヒシタイカ1号、2号、ケイカライト、タイカライトになります。

Q. なぜ認定番号が2つあるの?

おそらくケイカル板のNM8578、NM8576かと思いますが、昔協会が2つあり、そのどちらかでとった認定の違いによるものです。
試験自体は同じですので、どちらも同じ不燃認定ということになります。
NMは Noncombustible(不燃) Material(材料)の略です。

Q. 建材の重量を調べたいのですが?

建材ボード重量計算表」のページをご利用下さい。